あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。
正月休みで準備が出来ず、ブログ1週間休ませて頂きました。
そのかわり今年一発目のブログはいつもの倍の時間をかけて書かせて頂きました。
今年一発目はアートの講義、第二弾です。
前回アールヌーヴォーについての講義はこちら。
昨年10月、美術館でやってたキース・ヘリング展に行ってきました。
館内はほぼ写真OKだったので、ブログネタに撮ってきました。
僕が強く影響を受けたアーティストの1人でもあり、とても身近に感じる人でもある人。
キース・ヘリング(1958ー1990)です。
80年代に活躍したポップアーティスト、ストリートアートの先駆者です。
名前を知らない方でも作品は見たことあるかと。
ユニクロとかもデザインTシャツ出してましたし、Kポップアイドルがキースのハートのデザインをタトゥーで入れて、ファンの間でも流行りました。
僕も数人の方に彫りましたが、キースのことは知らないようでした。
長文が苦手なので、 貼ってあった説明文を撮ってきたので読んでください。
要は地下鉄の掲示板にチョークで描いた絵をいつも貼ってたんですよ。
それで有名になっていった人なんです。
これが実際の作品だそうです。
最初から一貫して人間の一筆書き風のイラストを描いてたんですね。
そうやって有名になっていったキースのことを、もう少し深掘りします。
彼はゲイで、31歳って若さで当時は治せなかったエイズで亡くなっています。
キース・ヘリング展は栄の松坂屋美術館でやってて、スタジオから歩いて行きました。
途中、友達のカフェの前を通り、1、2年会って無かったのでついでにちょっと寄っていきました。
因みにその友達もゲイ。(マチコじゃ無いよ)
「今からキース・ヘリング展に行くよ」と言うと、彼はもう観てきたそうで、写真は1枚だけ撮ったそうです。
それは絵じゃなくて貼ってあったキースの言葉だそうです。
その言葉が心に響いてつい撮ったそうです。
それがこの言葉です。
同じ辛い経験をしてるからこそ響いたんでしょうね。
なんとなくしかわからないけど、本当の自分を隠して生きる若者の辛さや葛藤を感じます。
キースのポップなアートはそれまでに無い斬新さが10代の僕にも刺さりました。
イラストに込められたメッセージはあまりわかりませんでした。
いきなり出てきた斬新な画風でしたが、今見るとルーツがなんとなくわかります。
左端のイラストはピカソの「泣く女」に似てます。
20世紀初頭に、それまでの遠近感のある絵画から、ピカソらが始めた「キュビズム」っていう平面的なスタイルが流行ります。
キースはその流れを受け継いでいるんだなってわかります。
同世代ではアンディ・ウォーホールやバスキアなどが有名です。
80年代のニューヨークで、「パラダイス・ガラージ」ってクラブが出来て、ハウスミージッックが流行り、最先端をいってるアーティスト達がそこで交流してました。
キースもそこの常連でした。
当時の写真も展示してありました、
真ん中で陶酔して踊るキースが写ってます。
同じ時代、若い僕はクラブ、ハススミュージック、DJに憧れ、その道を辿りました。
展覧会からちょっと外れますが、忘れられないお客さんがいます。
11年前の写真です。(ちょっと僕も若い。。)
左の方は当時ニューヨーク在住で、DJもしていて、パラダイス・ガラージの常連でした。
つまり、キースの知り合いです!
後ろのTシャツはタバコのCMキャラをしてた同じく常連のモデルさんの写真にキースが背景を描いたという、世間に出回って無いイラストがプリントされたもの。
同じくエイズで亡くなったモデルさんの追悼に作られたTシャツで、仲間だけに配られたものだそうです。
そんなお宝を持ってきてタトゥーにして欲しいと依頼されました。
わざわざ和歌山県から来てくれました。DJ繋がりで僕を知ったそうです。
そんな日に僕が来てきたTシャツもそこまでじゃ無いけどレアなキースが写ってるものです。
この説明文を読むと、聞いてた音楽も僕と一緒。
先輩って呼びたくなります。
有名になったキースは色々な仕事がくる様になり、アルバムジャケットも手掛けてます。
展示してあった6枚の中で左下のものは僕も持っています。
最先端を走っていたマルコム・マクラーレンの「SKRATCHIN」です。
僕の記憶では最初にポップスでスクラッチ音を取り入れた人です。
その人のことも深く話したいんですが我慢。。
そうなんです、ポップな画風なのにメッセージ性が強いんです。
バンクシーも彼の影響が強いと思います。
彼の作品はシンプルで可愛いイラストが特徴です。
なんとなく描いているのでは無く、そこにメッセージがあります。
意味を持たせたデザインには力があります。
この部屋ではストーリー性のある漫画みたいな作品が展示してありました。
セリフや説明はありません。
庶民のアートを目指してたキースは、誰かみたいにオークションで何億って値を付けられることもなく、活動してました。
僕もアートが好きでしたが大衆的なアートとして、皆さんの身体をキャンバスにしてるので、より共感します。
キースは日本も好きで、ショップをオープンしたり、名古屋でも茶碗にイラストを絵付けしたりしたんですよ。
広島でも広島平和プロジェクトにも参加されました。
そんなリスペクトするアーティストの展覧会は、やっぱ行かないとまずいなと思い行きましたが、改めて感銘を受けました。
そして最後に僕の心に一番響いた言葉で締めくくりたいと思います。
また気が向いたらアートの講義をさせて頂きますね。
タトゥー
宇宙飛行士です。
飛び込みの常連さんで、ふくらはぎに入れました。
こんなポップアートもたまに描きますが、結構好きです。
ありがとうございました。
キツネ面、続きです。
イケメンなキツネを目指したデザインです。
赤色が入りました。
裏側の天狗面も未完成で、こちらも進めました。
ありがとうございました。
オオカミ、完成しました。
トライバルを入れ込んだデザインです。
よくやる事ですが、オオカミとかライオンとか、顔がメインで身体は無い方が迫力も出ていい場合が多いです。
前足だけ足しました。
この方の左腕のカラスも同じ理由で、顔と翼と足しか無いデザインでした。
内側のバラも完成しました。
イバラをイメージしたトライバルを入れました。
ありがとうございました。
数年振りに来られた方でレタリング、スタートです。
このサイズで飛び込みだったので、描けるのかちょっとビビったけど、シンプルなデザインを希望されてたのですぐ描けました。
文字の外側にボカシが入る予定です。
ありがとうございました。
時計です。
ちょっと忘れちゃったけど、時間に意味を持たせてるかも。。
こちらもトライバルの様な背景を入れてます。
丸いモチーフって、意外とバランス悪いのでその背景でバランスを整えています。
その隣には蟹座を入れました。
下に元々入ってたものと、今回の2つの配置、バランス、サイズ等、相談の上こうなりました。
ありがとうございました。
クラゲ、スタートです。
肘に洋梨とギロチンのタトゥー入れた方です。
これもそんなに難しいデザインでは無く、飛び込みでしたがバランスに気を使いました。
ありがとうございました。
おまけ
昨年秋頃、自宅の前の家が解体されたんです。
右にある建物はウチの車庫でかなり古いものです。
親戚でもあった前の家主はその車庫とピッタリくっ付けてプレハブも建てられてました。
プレハブが増設されたのは30年くらい前のことでした。
解体によって30年振りに車庫の壁が姿を現したんです。
なんとそこにはキースの人間のデザインが描かれてました!
昔キースの絵を知った僕が、いてもたってもいられなくなりスプレーでなぐり描きしたものでした。
(なぜか怒られませんでした。。)
そして今は綺麗な壁に張替えられ、奇しくもキース展に行った直後、数日間だけお目見えしたんです。
キースが亡くなって35年も経った今、なんでこんな事が起こるんだろうか。。