いやいや暑いすねえ。
今日はシャトレーゼに行ってきました。
アートな講義シリーズへようこそ。
たまーにだけど、美術館とか行った時の写真から、皆さんにもお裾分け的な感じで解説させて頂いています。
前回のキース・ヘリング展からの第四弾です。
今回もいっぱい写真を撮ってきたし、思い入れが強くてブログの文章が多くなりそうで、面倒だなあーって思ってたら、半年も経ってしまいました。
1月に行ったミュシャ展から、アルフォンス・ミュシャを紹介します。
日本で人気のアーティストなので知ってる方もいると思います。
1860年、チェコ生まれの男性です。
若い頃は美術大学などで絵画を勉強してました。
その後は本の挿絵を描く仕事をしてました。
木版画が多かったみたいです。
挿絵はただ絵が上手いだけではダメだと思います。構図などのデザイン性が大事だと思われます。
この仕事でデザインのセンスを磨いたと思われます。才能が開花して挿絵作家としての知名度も上がりました。
その後さらにレベルの高い、広告メディア、ポスター制作の仕事に着きます。
しばらくするとラッキーで大きな仕事が舞い込みます。
大女優の舞台のポスターを手掛けることでした。
それまでの舞台ポスターとはまるで次元の違う、凄く芸術性の高い作品を発表するとまた大注目されます。
とても美しい作品を次々と描きました。
当時の大流行の芸術様式であるアール・ヌーヴォーを見事に取り入れ、そのデザイン性の高さから、アール・ヌーヴォーといえばミュシャ、という地位を確立しました。
アール・ヌーヴォーは僕の過去のブログを参考にしてください。
色彩センスも抜群です。
これが100年前の作品とは思えないくらい素晴らしいです。
アール・ヌーヴォーの説明でも書いてますが、アール・ヌーヴォーは日本の浮世絵に大きく影響されてます。
輪郭線があって平面的な塗り方、草木をバランス良く入れ込むところとか、どことなく日本っぽいでしょ?
世界的にも有名になったミュシャには多くの仕事の依頼が来ました。
画家というより今で言うグラフィックデザイナーとして活躍しました。
切手やお札のデザインまで手掛けてます。
教会のステンドグラスとか色々と。
これも得意な女性モチーフのデザインですが、香水の広告デザインなんです。
当時のミュシャの写真を見たことがありますが、もう大御所なんでモデルさんにポーズを取らせて描いてました。
羨ましいです。。
アール・ヌーヴォー様式で描かれたデザインです。
草のデッサンです。
僕が尊敬する過去の作家さん達はみーんな、こんなスケッチをいっぱい描いてます。
子供の頃は僕も描いてたけど、本当は今もやらないといけないんだろうなあ。。
基本が大事ってことですね。
ジュエリーデザインもやってます。
この頃からグラフィックデザイナーでは無く、画家として活躍したいという願望が湧いてきたようです。
アメリカに渡り、雑誌の表紙を描く仕事などをしました。
タッチが昔のミュシャに戻りつつあります。
この頃には祖国、チェコの為の絵を描きたいという願望が湧いてきます。
1917年に描かれた「チェコの心」です。
写真を撮る僕の手が写り込んでますが。。
チェコの民族衣装を着て、チェコを象徴する花を付けた女性。
下に書いてある文字は「チェコの心を支えるすべての人々へ」と書かれてます。
晩年、チェコに戻ると自身やチェコのルーツのスラブ民族をテーマにした作品を描く様になります。
表舞台から去り16年かけてデカイ絵を20枚描きます。「スラブ叙事詩」です。
1939年、ナチスドイツが侵攻してきて、ミュシャは捕まり厳しい尋問を受けました。
その年でミュシャは亡くなられました。。
切ない。。
なんだかよくわからない、映像が流れる部屋がありました。
切ない気分の僕は興味が無く、写真だけ撮って退散しました。
出口付近に大きなパネルがあって、プロジェクションマッピングみたいなもので、花びらが流れてました。
一応撮っておくかとこの写真を撮ってたら、学芸員さんに声をかけられました。
よく見たら右から2つ目の絵には人物が描かれて無くて、そこに立って自撮りする為のパネルだそうで、そこに立ってくれと言うんです。
「普段は忙しくてこんな事しないんですよ」とまで言われ、しぶしぶ立ったのが次の写真です。
ミュシャが台無し。。
急に言われて、カメラに目線も送れず笑顔も作れず、反省してます。。
後に2回もここに行ったお客さんは写真を撮られることは無かったそうです。
ありがたく思わないとね。
即売所で買った目録とトランプ。
僕は昔カードマジックにハマってた事があって、バイシクル社のトランプをいっぱい持ってます。
その老舗メーカーのバイシクル社が作ったミュシャの限定トランプ! 買わない理由が無いです。
美術館から帰ったら、滅多に連絡取り合わない友達から連絡が来ました。
ミュシャ展に行かないかとのお誘いでした。
タイミングがいいのか悪いのか。。
でも尊敬するミュシャに呼ばれてたんだろうなとポジティブに受け取りました。